コラム

no.041
シニア人材の活性化を考える ~70歳現役を目指して~

2017年6月30日 | 取締役 菅桂次郎

先日、年1回の健康診断を受診してきた。気が付けば私も今年40歳になる。有難いことにあらゆる数値が正常で、健康代表者のような体ではあるが、そろそろどこかにガタがきてもおかしくない年齢だ。改めて、健康であることに感謝したい。

どこまでが信憑性のあるデータかは分からない面もあるが、私の世代は90~100歳まで生きることを前提にライフプランを組む必要があるらしい。公的年金が受給できるという甘い前提に立ったとしても、70歳が支給開始で想定すると、そこからさらに20~30年は「生きてしまう」という計算で体力的かつ経済的な自立を目標としなければならない。

昨年出版された「LIFE SHIFT」にもあるが、教育・仕事・引退という旧来の人生設計モデルは崩壊し、新たな「生き方」が問われているのだ。AIに仕事を奪われてしまうのかなど、いろいろと考えると不安ばかりが先に立つが、深刻な人材不足に陥っている日本社会において、シニア人材が輝く社会、「70歳現役世代」の当事者として、このテーマについて考えてみたいと思う。

実際私のまわりには輝いている60代、70代の方も多い。まだまだ第一線で活躍している姿を見ると勇気をいただける。何を隠そう、私の祖母(御年83歳)も現役のピカピカ人材だ。働くことが好きというのが根源にあるが、周囲から「請われている」ということが何よりも凄いことだと感じた。

我々も「シニア人材の活性化」という問題意識から、企業で働く年配者のモチベーション向上施策をお手伝いすることがある。対象は、50代前半の場合もあれば、60歳手前であったりもする。

私自身がまだ「その年齢で働く」という経験がないため、軽はずみなことは言えないが、若かった頃のような「馬力貢献」ができにくくなってくるため、ベテランならではの「いぶし銀的な貢献」ができるかどうかが必要なのかもしれない。

ただし、従前のような「過去の貯金を切り崩して」という発想は捨てなければならない。常に「最新のものをアップデートする」という意識と具体的なアクションの違いが「請われ続ける人材」か「壊れていく人材」になるかの分岐点になるのだろう。

言うは易しではあることも重々承知している。40歳の自分でさえ、勝ちパターンを持っているが故に、それを捨て去ることがどれだけ難しいかも理解しているつもりだ。ましてや、部下の前で失敗した姿を見せたくはないという心理もある。

一方で、実際に存在するシニアのピカピカ人材の方々を見ると、常に新たなことに挑戦し、「しっかりと失敗」しているように感じる。そして何より、失敗は失敗ではなく、挑戦した結果に得られた学びという捉え方なのだ。

だからこそ、シニアという言葉で人材を一括りで考えるのではなく、「積極的に失敗している人材」を活かすような施策に知恵を絞ることこそが、経営や人事に携わる者のミッションなのだろう。

いつまでも若々しく、70歳以上になっても現役で働いていくためには、自分の中にある「失敗の定義」を再構築することが重要なのだと思う。そして何より、「自分ももっと失敗せねば」と改めて感じた。

『私たちは失敗はしない。勉強しているだけだ』
(アン・ウィルソン・シェイフ)